8月23日(水)G市南部コミュニティセンターで、G市南部の小中学校の先生方約300名を対象に情報モラル・人権講演を行いました。

最初に、ネットに関わる人権意識についてみなさんに実際に考えていただきながらお話をしました。事例に挙げたのは、ネットにアップされた児童の変顔。友だちと一緒に撮ったものです。アップした本人以外に1人写っています。楽しそうに一緒に笑っているものです。これは、人権侵害になるのでしょうか?

会場の数人の先生以外は、ほぼ全て人権侵害と捉えました。根拠はなんなのでしょう。多くの方は『個人情報』の問題点を指摘されます。確かにその部分もあります。しかし、その写真を撮った時、もう一人の子はネットにアップされることを本当に『想定』できなかったのでしょうか。

いつもやっていることなのに、今回だけ気になった。ーーーこれは、本当に学校が関わらなければならない『人権侵害』でしょうか?先生方の大半がそう捉えてしまうこと、確かに『最悪を想定して…』のリスクマネジメントかもしれません。しかし、その判断が、根拠無く一律的に揃ってしまうことにも、少し不安を感じました。

もし、本人が撮影時に『アップするかもも』という想定ができているのなら、必ずしも人権侵害ではないかもしれません。当人同士で解決すべき問題として対処するべきものと、保護者に返す事案でになることも多いはずです。

しかし、一律的に『人権侵害』と捉えるなら、学校が介入する責務を負わなければならなくなるでしょう。業務はますます増える一方です。

確実な『法的根拠』をもち、それに基づき組織として対応する姿勢を持たないと、業務はどんどん増えるのです。

情報モラルやネットの人権に取り組むことは、自分たちの業務をスリム化していくことにもつながるというお話をしました。